たかひで鍼灸接骨院


SABABU・・栃木県北部を中心としたタウン情報誌です。
健康相談室担当時の記事を抜粋して掲載しています。



「睡眠」VOL82

「肩こり2」VOL83

「腰椎ヘルニア2」VOL84

SABABU8


「睡眠」VOL82
睡眠時間・・

Q:睡眠時間はどの位がベストですか?寝すぎても眠いし短くても眠いです。疲れがとれません。(20代男性)

A:個人差があると思いますが、若いうちは良く眠れますね。赤ちゃんは一日中寝ていますし、高齢者は眠りが浅く悩んでいます。いびきが大きい人や昼間に猛烈に眠気を感じるようなら睡眠時無呼吸症候群があります。質問者は睡眠の量より寝ても疲れが取れないことが問題で、「疲労」より「疲労感」ですね。慢性疲労症候群やうつ病、神経症など身体の問題より心の問題が大きいです。ただ、日常に支障が出たり、仕事にも行けない、身体の変調が現れるようなら専門医の受診が必要です。
鍼灸治療は、一対一の治療が可能ですのでコミュニケーションを取り、ストレスや不安、対人関係など解決できなくても、問題を明らかにするお手伝いは出来ると思いますので、信頼できる先生を見つけ相談してください。治療は、脊椎近傍に軽い刺激を全身に行います。また、軽いマッサージが良く、強い刺激は逆効果になりますので、ゴリゴリもんだり、長時間の刺激は絶対いけません。ちなみの私は、たっぷりの8時間派です。


「肩こり2」VOL83
一側性の肩こり・・

Q:左の片側だけ肩が凝ります。心臓に何か負担がかかっているのでしょうか?(30代男性)

A:近親者に心臓疾患を患った方や他の症状があるのでしょうか。単純に片側の肩こりなら心配はいりませんが、臨床上、心臓疾患がある方は、左の肩や背中、腕に症状が出ることがあります。胃の疾患や十二指腸、神経症でも左に出やすいですし、肝臓や胆嚢疾患では右に出やすいようです。ただ傾向があるだけで必ず出るものでもありませんし、出たから臓器に問題があるということではありません。心臓疾患は、一番心因性の問題が出やすいので、気になって仕方ありませんが、異常はないと思われますが一度精査を受けてみて、すっきりした方がいい様です。
治療は、まず姿勢がどうか、本当に一側だけが凝っているのか、性格や気分はどうか、増悪因子や寛解因子はあるか、目や耳の感覚器に異常はないかなど調べ、この場合交感神経を活性化するため、座位にて強い刺激を入れ、体に喝を入れます。眠っている神経を呼び起こす方法です。普通はリラックスさせる方が多いのですが逆療法です。もちろん時と場合、個人差はありますが、面白い方法で、一瞬で元気になります。


「腰椎ヘルニア2」VOL84
腰椎ヘルニア 2・・

Q:腰痛で受診したら腰椎ヘルニアと言われ、痛くて動けません。鍼灸で治りますか?(40代主婦)

A:受傷後どのくらいか、原因はあるのか、腰痛だけなのか、下肢の痛みやしびれはあるか、体位によって痛みは変わるか、安静時痛はあるか、検査方法は何かなど診てみないと何とも言えません。痛みで動けない様なら無理に動かず、椎間板の内圧が軽減するまでそっとしておいてください。痛みがあっても日常生活が出来れば、出来る範囲で動いた方がいいようです。現在は、安静臥位は回復を遅らせることになっています。ただ、無理に動かし組織の損傷を大きくしたり、温泉や入浴で温めると炎症がさらにひどくなったりしますので注意が必要です。
 鍼灸治療だと急性腰痛は、脊柱近傍の多裂筋や回旋筋、深部の大腰筋、側部の腰方形筋や外腹斜筋を狙います。また、腹臥位にして腰椎を上から触ると陥没したところがある人の場合、その近傍に硬いものが触れます、そこに鍼を刺し硬い組織を貫くようにすると一番痛い部分に響きます。その後、腰側部の深部にも硬い組織が触れるので下肢に響くように刺鍼します。この方法は一回の治療でほぼ8割方治りますのでお勧めです。最後に、私見ですが急性腰痛で受診し、椎間板ヘルニアの診断を受けた患者で真正ヘルニアは2割程で、健常者でもヘルニアがある人は7割はいます。手術が必要と言われた患者でも保存療法で十分対応できていますので、ほとんどの腰痛は、原因不明です。