たかひで鍼灸接骨院


SABABU・・栃木県北部を中心としたタウン情報誌です。
健康相談室担当時の記事を抜粋して掲載しています。


「尿の濁り」VOL70

「むくみ」VOL72

「頻尿」VOL73

「顔の湿疹」VOL74

「耳鳴り」VOL75

「腰痛」VOL76

「耳の痛み」VOL77

「貧血」VOL78

「夏バテ」VOL79

「下肢と腰痛」VOL80

「手のしびれ」VOL81

SABABU7

「尿の濁り」VOL70
尿の濁り・・

Q:最近、尿に濁っているように見えます。腎臓が悪いのかと不安ですが、鍼灸で治療出来ますか?(30代女性)

A:健康診断等で異常がないこととして話しを進めます。濁って見えるのは尿に溶けている成分が固まった場合や感染症、血尿などですが、カルシウムや尿酸の結晶が白く濁って見えているのかと思います。
鍼灸院にみえる患者で多いのは、慢性の膀胱炎症状を訴える方で、尿の濁り、排尿痛、頻尿、残尿感、下腹部の違和感などで産後や更年期、更年期以降の婦人に多く見られます。これらは内分泌系の異常があり、過労や冷え、細菌やウイルス感染により発症します。ほとんどは細菌感染なので抗生物質を服用すれば治りますが、慢性化した場合、原因不明の炎症が度々起こります。そこで内部環境の改善を目的に治療を行いますが、腰椎部や仙骨部、下腹部や下肢の反応点、腎臓の経絡。特に重要なのが咽喉頭の弱体化を改善するため、胸鎖乳突筋や頸椎7番あたりを重点に治療を行います。慢性膀胱炎に関しては好成績なので鍼灸治療をお勧めします。ただ、むくみや異常なだるさ、動悸や息苦しさなど併発するようでしたら、迷わず医療機関の受診をお勧めします。


「むくみ」VOL72
むくみ・・

Q:この時期になるとむくみがひどくなります。鍼灸で改善できますか?(40代女性)

A:長時間の立ち仕事や夕方になると靴がきつく感じたり、骨の部分を押すと凹む、靴下の跡がのこったりする。が、入浴したり翌朝にはすっきりしている方を対象にします。女性に多く年齢は幅広く、低血圧で貧血症の人に多くみられます。心臓のポンプ作用が弱いうえに、下肢の血管運動が悪く循環不全が起こっている状態です。筋力も弱いうえに運動不足があり、冷え性、食生活も偏っている場合が多いようです。
鍼灸治療は、腰や下肢の主要穴を使い血流の改善を図り、副交感神経に働きかけるように全身の経穴に軽い刺激を加えます。また魚の目やタコがある場合、焼灼灸を行い出来るだけ取ってしまいます。臨床上栄養状態の悪い方が多いようです。間違ったダイエットや好きなものしか食べない、朝食を抜く、間食が多いなど絶対にやめてください。薬剤でもむくみが出る場合もありますので、ホルモン剤や抗炎症剤などもし気になる場合は、主治医にご相談ください。


「頻尿」VOL73
頻尿について・・

Q:最近、頻繁にトイレに行きます。どこか悪いですか?(30代女性)

A:尿の回数は、気温や水分摂取量、精神的な要素に左右されます。女性に多いのは膀胱炎で頻尿だけでなく痛みや不快感、濁りなどの症状が併発します。男性に多いのは前立腺に異常がある、糖尿病、腎疾患など器質的な疾患がある場合もありますが、原因不明の方が多く、絶えず尿意を感じ(過敏性膀胱症候群)生活に支障がある方もいます。併発症として腰痛や背部の痛み、疲労感やストレスがあります。
鍼灸治療は、仙椎神経叢を狙い陰部に響くような刺鍼で腰下肢の血流改善を目的にします。神経質な方が多いので副交感神経を活性化するため脊柱近傍に軽い刺鍼、緊張を解すため頚や頭への刺鍼、指先からの刺絡、咽喉頭への刺鍼も良く効きます。また、夜間頻尿でお困りの方も同じ治療で効果がありますのでお勧めです。ただ前立腺肥大や腫瘍で手術をした人、高齢者はかなりの時間がかかりますが有効のようです。


「顔の湿疹」VOL74
顔の湿疹・・

Q:顔に湿疹が出ます。鍼灸で治療できますか?(30代女性)

A:湿疹なのか、吹き出物や肌荒れなのか気になりますが、痛みや腫れ、色や形、硬さや熱など変化が見られるようなら医療機関で診てもらってください。顔に限らず皮膚の変化は重要で、特に鍼灸では重要な指針になります。東洋医学では「証」で治療計画を立てますが、顔や体の色、匂い、舌、脈、背部や腹部の触診で決めますが、顔の第一印象は特に大事で症状を聞くの前に治療経穴がほぼ決まってしまうほどです。
治療は、湿疹を対象にするのではなく、どこが弱っているか、異常な反応点はあるか、緊張や陥没はあるかなどを詳細に診て、身体に現れている経穴に刺激を加えます。後はその人に自然治癒力に期待するしありません。もちろん医療機関に罹っている場合は併用するのがいいでしょう。ステロイド薬や現代医学に過剰に違和感を感じている人もいますが、使用すべき時は迷わず使うべきです。


「耳鳴り」VOL75
耳鳴りについて・・

Q:最近耳鳴りで悩んでいます。鍼灸で効果がありますか?(50代女性)

A:日々の臨床で耳鳴りを訴える患者は多くいます。男女差はありませんが、中年期以降で加齢とともに増えます。昼間はいいのですが夜間や静かなところほど気になります。原因は不明で、耳鼻科では安定剤や血流促進剤、ビタミン剤など処方されますが、積極的な治療法は無いようです。随伴症状として、難聴やめまい、頭痛、肩こり、蓄膿症などがあります。
鍼灸は、耳周辺の圧痛点、乳様突起部のこり、顎関節の状態、後頭部や後頸部の経穴を主として、補助的に咽喉頭点、頭部、上背部の経穴を使います。幼少期の中耳炎や副鼻腔炎、血圧、生理、睡眠、服薬なども関係するようですので合わせて治療します。ただ、生死に関わることは少ない疾患なので軽視されがちですがとてもつらいものです。心的要素が増悪因子ですのでコミュニケーションをとり不安を取り除くように努めています。


「腰痛」VOL76
腰痛です・・

Q:腰が痛いです。鍼灸は効くと聞きましたが如何ですか?(30代男性)

A:日々の臨床で腰痛を診ない日は無いと思う位、患者は多いです。性別、年齢に関係なく、椎間板ヘルニア、椎間関節症、脊柱管狭窄症、腰椎捻挫、筋膜性腰痛症などの病名がつきますが、原因不明が一番多いです。また症状も一切動けないものから日常生活はできるが違和感が長期間取れない、朝痛みで起きられない、前屈が出来ない、長時間同じ姿勢がだめ、長時間の歩行が辛い、顔が洗えないなど様々です。医療機関での鎮痛剤や注射、温熱や牽引、湿布などが一般的です。
鍼灸治療は、全体的な緊張緩和はもちろんですが、局所治療が良く効きます。表面の筋肉より深部にある大腰筋、多裂筋、回旋筋、側部にある腰方形筋が対象になります。また椎間関節部へ刺鍼し、脊椎神経後枝内側枝を狙います。深部へ直接刺激を入れられるのは鍼治療しかありません。マッケンジー法等の上体そらし、ヨガや体操法などの柔軟性を取り戻す方法もインナーマッスルに有効です。慢性腰痛患者で年単位の痛みは、ほとんどが心因性ですので、生活や職場、家族の関係をもう一度考え直してください。必ず原因(特に怒り)が隠れているはずです。腰痛に関しては鍼灸は絶対の自信がありますが、安静時も痛んだり、夜間痛、発熱、治療効果がほとんど表れない場合などはレッドカードですので精査が必要です。


「耳の痛み」VOL77
耳の痛み・・

Q:たまに、耳が痛いことがあります。鍼灸でよくなりますか?(30代男性)

A:耳の器官そのものに原因がある場合、咽喉頭など近隣の器官が悪く痛みが波及している場合、帯状疱疹や感染症の痛みなど様々ですが、鍼灸院に相談する方は大体医療機関にて受診中もしくは異常無し、原因不明のかたがほとんどです。
治療は、耳周辺の異常、圧痛部を使い、顎関節や咽喉頭部の経穴、頭部の経穴、経絡は腎、三焦、胆経を使います。風邪や疲労、ストレスや免疫低下も関係していますので、全身の主要穴に軽い刺激を入れ副交感神経の活性化を目標にします。以前慢性中耳炎から骨髄炎を引き起こし、死にかけた方がいました。我慢が出来ないほど痛む、いつもと違う場合は迷わず受診しましょう。


「貧血」VOL78
貧血です・・

Q:私は貧血気味ですが何とかなりますか?(30代男性)

A:男性の貧血は少ないようですが、消化器からの出血、便の色など如何でしょう。傷が治りにくいとか、血が止まりにくいなどありませんか。思い当たる場合は精査が必要です。貧血症は女性に多く、低血圧や冷え性、痩身、遺伝、胃腸障害があり、疲れやすく、めまいや立ちくらみ、肩こり、息切れ、動悸、頭痛などの随伴症状があります。鉄剤や漢方薬、サプリメントやビタミン剤が処方されます。
鍼灸は、まず胃腸の状態を良くするため胃の経絡や消化酵素に関係のある経穴を使い、消化吸収を整えます。次に随伴症状の肩こりや頭痛を治療します。これだけで楽になる方もいらっしゃいますが、全身の血流改善をめざし主要穴を使うこともあります。貧血症の人は刺激が強いと疲れますのでほどほどがいいようです。個人的な意見ですが目の悪い方に貧血が多いようです。漢方では肝臓と目は深い関係にありますので、血、肝臓、目はつながりがあるようです。


「夏バテ」VOL79
夏バテです・・

Q:暑さのせいかひどくだるいです。鍼灸で改善されますか?(20代男性)

A:日々の臨床で中高年の女性患者が多いのですが、近ごろは20代の男性患者が増えてきているようです。また高齢者は元気のある方が多く、逆に若い人ほどだるさや眠気、疲れやすさを訴えます。人間関係や食生活、生きがいなどもあるのでしょうが、不思議です。
夏バテに対する鍼灸ですが、昔から有名な土用の丑の日に据える「ほうろく灸」、家伝灸の「中風予防の灸」など真夏に据えていました。
鍼灸は病気にも使いますが、その人の自然治癒力を強くし病気に罹らない、罹ってもひどくならないなどの「未病治」が得意です。易疲労、だるさ、食欲不振などは胃腸の経絡、肩背部のこり、頚の緊張を取ることで解消されます。今はどこでもエアコンがあり体温調節機能ががうまく働くなり、汗がうまくかけなくなっているようです。適度な運動で汗かき上手になり夏を乗り切りましょう。


「下肢と腰痛」VOL80
足首と腰の関係は・・

Q:足首が悪いと腰が悪くなると聞きました。本当ですか?(40代主婦)

A:たとえば、足首を捻挫や骨折、脱臼など損傷し、時間が経っても関節の緩みや拘縮、痛みがあれば、疼痛回避姿勢を取ることで歩き方や姿勢が悪くなり腰に負担がかかり、結果として腰痛が発現することはあるでしょうまた、臀部や下肢の筋肉に異常が出れば骨盤や腰椎に負担がかかるでしょう。臨床上、足首の損傷は、必ず後遺症が現れ、しかも長引くようです。
鍼灸治療で足首捻挫は、関節部の最高圧痛点への骨膜刺激が一番効きます。痛いですがほとんど一回で効果が出ます。また、歩いたり、走ったり、朝起きた時などのかかとの痛みやアキレス腱部の痛みにも良く効きます。湿布やテーピング、マッサージなど効果がいまいちの時は是非お試しください。もう一つ「経絡」という概念が東洋医学にはありますが、足と腰は同じ経絡が通っています。足首の経穴で腰の治療を行うこともありますので、漢方では関係性が大ありです。


「手のしびれ」VOL81
手のしびれ・・

Q:職業上パソコンを使いますが、手のしびれを感じることがあります。何か対処法はありますか?(30代男性)

A:手の使い過ぎの腱鞘炎ではなく、悪い姿勢を続けたことによる頸椎周辺の筋緊張による頚肩腕症候群、胸郭出口症候群ではないかと思います。頚部や胸部を通る血管や神経を軟部組織が物理的に圧迫して、しびれや痛み、脱力感、違和感などが起こり、肩こりや頭痛などの随伴症状が現れます。対処法として、温熱、入浴、ストレッチ、アイシングなどがあります。また、いすや机の高さや照明、眼鏡や服装なども注意してください。
鍼灸ですが、鎖骨の上部、乳様突起部、小胸筋部への刺鍼、圧痛点への運動鍼、皮膚鍼、肘や手首の矯正法などが効果があります。塗り薬や張り薬で一度かぶれると、またかぶれやすくなります。かぶれると炎症が起こり、熱を持ち治りにくくなりますので張る場合は、きれいに治ってから使ってください。