たかひで鍼灸接骨院


SABABU・・栃木県北部を中心としたタウン情報誌です。
健康相談室担当時の記事を抜粋して掲載しています。



「肌荒れ」VOL58

「偏頭痛」VOL59

「生理痛」VOL60

「鍼灸とは」VOL61

「こり」VOL62

「扁桃」VOL63

「むち打ち症」VOL64

「めまい」VOL65

「鍼灸とは2」VOL66

「骨折後の鍼灸」VOL67

「不整脈」VOL68

「治療費について」VOL69

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「肌荒れ」VOL58
肌あれで・・

Q:ニキビや吹き出物、肌荒れなど、鍼灸で効きますか?(20代女性)

A:こうした皮膚症状は、毛孔に一致した慢性炎症症状を示し、遺伝、年齢、食生活、ストレス、ホルモンが脂腺を刺激し皮脂の分泌亢進が原因です。さらに微小な傷に常在菌やアクネ菌.などが悪さし炎症が起こす。
 日々の臨床では、皮膚症状のほかに随伴症状として、多汗、月経不順、冷え性、便秘、胃腸虚弱、目のくま、肝斑.など、男性でも多血症や臓器疾患などで見られます。また、男女とも交感神経緊張症が必ずありますので、ストレスや不安、怒りは一番の増悪因子でしょう。心の声が身体表面に現れるようです。治療は、「血・古血」「熱・のぼせ」「臓器・肝腎」などの中医学的な「証」を用いた方法。併発する症状(便秘、冷えなど)に関係する対症療法。自律神経失調を目的とした脊椎近傍への弱刺激、指先の井穴刺絡などを使い、週一回、最低3か月間継続してもらいます。改善の目安として、気分がいい、身体が温かい、生理が順調になった等が良い方向です。


「偏頭痛」VOL59
偏頭痛です・・

Q:偏頭痛がひどく悩んでいます。鍼灸による治療を教えてください。(20代女性)

A:私も頭痛があり、とくに季節の変わり目など辛いときがあります。ここでは脳腫瘍や脳血管疾患、骨髄など重大な疾患は除外して、日々の臨床で出会う頭痛を対象にします。男性より女性に圧倒的に多く、家族歴があり、慢性的で常習性があり、随伴症状として悪心、嘔吐、めまい、首や肩の凝りを訴えます。前駆症状があり、鎮痛薬やひたすら寝るなどの対応策で凌いでいるようです。
 治療は、まず目鼻耳など感覚器、首や肩のこり、頭皮の圧痛やむくみ、生理の状態、冷えやのぼせ、血圧、顎関節、ストレスなど問診していきます。治療計画を立てたら、週に3回程度継続してみて状態を診ます。軽くなっていれば週1回を3か月程度続けると大概の症状は改善されるようです。ただし、変化がない場合はアプローチの方法を変え、経絡や臓器、手足末端の経穴、仙椎部の経穴、耳鍼などマクロにとらえ治療しています。脳の海馬や扁桃体、網様系など記憶や情動をつかさどる部分に大きく左右されますので、環境や生活習慣、考え方など変えてみるのもいいでしょう。


「生理痛」VOL60
生理痛です・・

Q:生理痛で悩んでいます。鍼灸治療は可能ですか?(20代女性)

A:器質的な疾患や病的なものは除外して、何とか日常生活はできるが、下腹部痛や腰痛、吐き気や嘔吐、頭痛などの症状。また精神症状や自律神経症状など併発しているものに対してお答えします。
 鍼灸治療は、「血の道」「オ血」「古血」など血や「のぼせ」「冷え」など熱寒に関する経絡や経穴を使います。子宮や卵巣の血流障害を除くため仙骨部や陰部神経経路への刺鍼。貧血や低血圧のため、血中酸素濃度を高める目的で呼吸に関する経絡、横隔膜や腹部の緊張を取る処置。自律神経機能調整、眼精疲労や便秘症など不定愁訴の治療として脊柱近傍、顔面、下腹部への軽い刺鍼が有効です。とても気持ちがいい治法なので寝てしまうほどです。婦人の体調を見る場合月経は大きな目安になります、将来を見据え、今の体調管理を大事にしましょう。「未病治」といいます。


「鍼灸とは」VOL61
鍼灸について・・

Q:鍼灸について教えてください。(40代男性)

A:現代医学は精密な検査機器や検査キッドなどの開発、医薬品や各放射線法により、早期発見・治療ができるようになりました。細菌やウイルスなどによる感染症、交通事故による救急医療など無くてはならないものに違いありません。しかし、肩こりや腰痛、風邪や発熱、高血圧や糖尿病の生活習慣病など日常的に関わる疾患に有効な治療法があるかというと限界があるようです。
 東洋医学の面白いところは、「病気」を見るのではなく「病人」をみます。病気の部分を切り取ったり攻撃するのではなく、病気になったのは、身体が弱いせいだとみます。病気を抑え込むのではなく「追い出す」、身体に備わっている自然治癒力を最大限に発揮出来るようにお手伝いをする、そんな感じです。人間ドックで定期的に検査をし異常がなければ健康なのでしょうか、そんなことなないですね。加齢とともに体内に変化が起こり、どこにも異常がないなどあり得ません。体のどこかに欠陥があっても、体全体でみると健やかである。「体が軽い」「気分がいい」「さわやか」健康感こそが健康の決め手です。


「こり」VOL62
頚・肩こりの効果・・

Q:
頚や肩のこりがひどいです。自分でもんだりしていますが、鍼灸が如何でしょうか?(30代男性)

A:頚や肩こりは日常的に診られる症状です。頚や肩の筋肉が強張り、緊張が続くと血行不良を起こし、発痛物質が発生し痛みや不快感が現れます。原因は多岐にわたり、頸椎や関節の運動器、目や耳などの感覚器、内臓疾患や自律神経、心因性など複合的です。肩こりの痛みは脳に到達するのが遅いため(C線維)、張り薬や塗り薬、温泉やカイロなど効くように感じますが、時間とともに再発するようです。
 鍼灸治療は、凝っている患部に直接刺激し生体反応を利用する方法。経絡を使い反射を利用する方法。軽い刺激を全身に行い副交感神経を活性化する方法。刺鍼したまま運動させるストレッチ鍼法。灸や灸頭鍼を利用した温熱療法。整体法や矯正法など治療計画を立て行っています。当院のオリジナルとして側頭部のコリを取り、乳様突起周辺の刺鍼、鎖骨の上部・斜角筋部への刺鍼の三点が特に効果がありますのでお勧めです。たかが肩こりと思っていても、過去に重大な疾患が見つかったり、明らかに重篤な疾患だったことがありましたので、自己判断は危険です。もし治療しても効果がなかったり、夜寝ていても痛むような場合精査が必要です。


「扁桃」VOL63
扁桃腺が腫れる・・

Q:風邪をひくと必ず扁桃腺が腫れて困っています。鍼灸で予防や治療は出来ますか?(20代男性)

A:扁桃は喉にあるリンパ組織で鼻や口から侵入してくる細菌やウイルスに対して防衛的な役割を担っています。また、扁桃を病巣とした二次感染症を引き起こす感染臓器とし働いてしまうことがあります。扁桃には常在的に細菌叢がありますが、風邪や寒冷、過労やストレスにより細菌叢のバランスが崩れ、扁桃炎が発症します。年に数回繰り返すものを習慣性扁桃炎といい、悪寒、発熱、咽頭痛を呈し、アデノイド肥大、滲出性中耳炎、慢性副鼻腔炎などの合併症を認められる場合もあります。
 鍼灸治療は、頚周辺の圧痛や違和感への刺鍼、指先から刺絡、胸鎖乳突筋、僧帽筋、上部背筋の緊張を緩和します。顎関節炎、頭痛、耳の違和感などがある場合が多いので、それらも調整します。また、全身の免疫機能の低下、交感神経緊張があるので主要な経穴を使い身体の緊張をとり副交感神経を活性化します。予防として煎茶や塩水で一日数回のうがい(一回10分)、腹式呼吸、自己施灸など有効です。扁桃病巣感染症には、皮膚疾患、リウマチ様関節炎、腎炎などを引き起こすことがあります。臨床上、原因不明の関節炎や皮膚疾患、各種炎症に扁桃治療が良く効くことがあります。


「むち打ち症」VOL64
むち打ちです・・

Q:交通事故でむち打ちになり、時期的に辛くなることがあります。鍼灸治療で良くなりますか?(40代女性)

A:頚は7個の骨と軟骨を靱帯、筋肉組織が取り囲み保護しています。中央に脳と連絡している脊髄神経、自律神経、血管や気管が通っていますので、事故などにより損傷を受けると微小な傷や出血が起き、痛みや違和感、自律神経症状が出るようです。事故直後はなんでもなくても1〜2日経ってから症状が出るのは、傷を治そうとする反応が起きるからで、受傷時は安静、固定が必要でマッサージや矯正法は禁忌です。
 受傷から3か月以上過ぎても改善されない場合や自律神経症状が出る場合が鍼灸治療を受診するようです。日々の臨床で多いのは頚の痛み、しびれ、運動障害、頭痛、めまい、吐き気などで、患部より全身を対象にした治療を行います。全身の緊張をほぐし自律神経の調整を目標に、脊柱近傍の経穴に軽い刺激を継続します。頚の症状ですが腰を中心とした治療が効果があります。また頚の前部、側部に良い経穴があるので加えます。むち打ち症は「心理」要因がきわめて大きいです。事故のショック、相手に対する憎しみ、賠償問題などです。さらに「むち打ち」は一生治らないという思い込みや情報が一番よくありません。ある程度の痛みや不快感は受け入れ、最善の生き方をするしかありません。細事に気を使い却って苦しむことの無いように・


「めまい」VOL65
めまいで・・

Q:めまいや頭がくっらとすることがあります。血圧も関係しているかもしれませが鍼灸で効果はありますか?(50代女性)

A:女性に多い症状で更年期以降に良く現れます。ひどいと救急車のお世話になることもあり、一切動けないこともあります。特に多いのは、良性発作性頭位めまいで回転感、不動感、上下前後に動くような感じです。原因は分かっていませんが内耳の異常があり、ストレスや疲労、風邪やアレルギーなどが引き金になるようです。また脳疾患やメニエール病、目の疾患もめまいを引き起こします。最近の例では降圧剤や薬の多量摂取などでめまいを引き起こしたケースもありました。主治医とのコミュニケーションも大事です。
 鍼灸ですが、まずは耳に関する経穴を使い、その後、顎関節、頚肩、背部、頭部、全身の主要経穴と勧めますが、早いと一回で改善します。足先や指先の刺激も効果があります。一度でもひどい体験があると記憶が強く残り、不安感や恐怖感が再発のきっかけになるようです。死ぬことはありません、身体を動かし筋肉を鍛え全身の血行を良くし、生活習慣を見直し、エンジョイしましょう。


「鍼灸とは2」VOL66
健康ですが・・

Q:特に体に異常はありませんが、鍼灸に興味があります。健康で鍼灸を受けて大丈夫ですか?(20代男性)

A:「未病治」という言葉が医療にはあります。目指すところは、罹ってしまった病気を治すことではなく、病気に罹らない、罹りにくい、罹っても軽く済む身体、健全な心を持つことが目標です。鍼灸治療は、病気にというより「病人」に対して物理的な刺激を加え、自然治癒力に期待する方法です。性別、年齢、体格、感受性、既往歴などを考え、さらにコリや硬結、陥没や軟弱、熱や冷えなどの情報を集め正常な状態に戻すことを目的にしています。鍼灸は自然治癒力や免疫力を強化する究極の予防医学です。また、一対一で時間をかけることで疑問、不安、ストレスなどの心理状態に東洋医学的にアドバイスすることもできます。はりやきゅうは、「痛い」「熱い「怖い」などのイメージがあり敷居が高いと感じるかもしれませんが、まず治療家を見てください、栃木県鍼灸会会員は勉強熱心で紳士です、心配は無用だと気付くことでしょう。
健康体で鍼灸治療、なんら問題ありません。是非お勧めします。


「骨折後の鍼灸」VOL67
骨折後の治療・・

Q:4年前に左手首を骨折しました。完治しているといわれていますが、まだ痛むことがあり悩んでいます。鍼灸で痛みが取れますか?(30代男性)

A:いつまでも続き医学的に診て異常がないなら、血流障害や交感神経過敏症、筋肉のアンバランス、拘縮や神経経路の障害、心因性などが考えられます。しびれや麻痺,関節の状態も関係します。どうすると痛いのか、楽なのか、増悪因子や緩解因子は無いかなど細かく原因を絞りアプローチしてみます。異常な反応点は無いか、関係する経絡に異変はないか、心的変化で増悪はあるか、間違った情報を信じていないか、家族や知人に症状を訴えていないか、自分で直すことをあきらめて医者や薬を盲信していないかなど、どれも過去に原因となった事例です。
 治療は、局所の治療、経絡上の反応点、頭の反応点、反対側や上下の経穴と勧めていきますが、数回の治療で結果を見て、芳しくないようなら、次、その次、経穴も方法も少しずつ変えていきますが、今までほとんどの患者は良くなっていますので自信はあります。どうか鍼灸治療を受けてみてください。


「不整脈」VOL68
不整脈です・・

Q:たまに、不整脈が出ます。鍼灸で効果はありますか?(50代女性)

A:脈が飛んだり、胸の中でくっと詰まる感じがあると心臓だけに不安がありますが、たいていは生命に危険がないものが多いようです。どんな時に感じるか、降圧剤や糖尿病の治療は受けているか、睡眠やストレスはどうか、甲状腺など内分泌器官は大丈夫か、嗜好品や疲労、時に感じる時間帯はあるかなど問診します。
鍼灸治療は、左前腕部の中央に良く効く経穴があります。また背中の肩甲骨下端を結んだところにある経穴、胸骨中央の経穴など特効穴を使用します。その後全身のゆがみや緊張を取り、肝臓機能に関係する経穴、呼吸器系の経穴、上背部のこりを取り終了です。簡単に治る不整脈もあれば、全然変わらないものもありますが「体が軽い」「疲れにくくなった」などの変化があれば、いい傾向だと考えています。いずれにしても医療機関での定期検査は必要です。検査で心配ないと診断されたら深刻に考えず、わくわくすることを見つけましょう。


「治療費について」VOL69
鍼灸の治療費は・・

Q:治療費が高いイメージがあり受けたことはありません。実際はいくらぐらいでしょうか?(40代女性)

A:鍼灸治療は保険が使えませんので、原則自費治療になります。病院や接骨院に比べ窓口で支払う治療費は負担が大きくなりますが、保険治療の7割〜9割は組合や自治体が負担しているので、結局は皆様の保険料から支払っていることになります。鍼灸院では、地域や内容によりますが、初診料1000円位、治療費が3000円から5000円、治療時間は1時間位が多いようです。毎日通院するのは金額的に難しいと思いますが、納得いかなければ患者は通院してくれませんし、値段に見合う治療を誠心誠意行っています。逆に窓口負担が安いからとだらだら毎日通院させる治療院がありますが、本当に患者の求める治療ができているのか不思議です。
 鍼灸治療も保険で治療が受けられます。1神経痛 2リウマチ 3頚腕症候群 4五十肩 5腰痛症 6頸椎捻挫後遺症 7その他の慢性疾患が対象です。ただし医師の同意書が必要なので詳細は鍼灸院にてお聞きください。また、地域により助成券を発行している自治体もありますのでHPなどでご確認ください。