たかひで鍼灸接骨院


SABABU・・栃木県北部を中心としたタウン情報誌です。
健康相談室担当時の記事を抜粋して掲載しています。


「アレルギー疾患」VOL34

「花粉症」VOL38

「不妊症」VOL39

「皮膚疾患」VOL41

「皮膚疾患2」VOL42

「胃弱」VOL43

「事故の後遺症」VOL44

SABABU4


「アレルギー疾患」VOL34
アレルギーについて・・

Q:子供がアレルギーで困っています。鍼灸はどうでしょうか?(20代 女性)

A:実は、私の娘もアレルギーがありで6歳ごろまで喘息がひどく、吸引や点滴を受けていました。アトピー性皮膚炎は今もあり、時々塗り薬を使っています。何らかの抗原が体に入り、抗体やリンパ球がこれを排除する働きが免疫機能ですが、身体に異常な反応や不利な方向に働くことがアレルギー反応です。原因としては免疫機能(骨髄、扁桃、リンパ節、胸腺など)の弱体化、糖代謝が悪いと白血球やリンパ球の働きが悪くなります。さらに腎臓機能が弱いと老廃物の排泄が悪くなります。
治療は、まずは糖分の摂取を控え、食生活の見直し、生活習慣の改善、ストレスや不安を無くす努力をします。鍼灸は喉周辺の経穴による扁桃の強化、脊柱近傍への刺鍼によるリンパ組織へのアプローチ、交感神経緊張を抑える全身の主要経穴への刺鍼及び施灸です。最後に自戒を込めて民間療法や霊感商法には、これぐれも気をつけましょう。


「花粉症」VOL38
花粉症・・

Q:毎年花粉症でつらい思いをしています。鍼灸は効果がありますか?(30代女性)

A:花粉症は現代医学でも治療に難渋する疾患で、年々患者が増加傾向にあります。関連商品が続々出ていて、社会現象にまでなっているようです。鍼灸は意外に効果があり、その場で楽になったりしますが、症状が緩和するだけで「完治」する患者は二割程度です。
東洋医学は、病気を外からくる「外因」、身体の中の状態「内因」に分け、内因である呼吸器、消化器、内分泌、自律神経をいかに強化するかが重要です。生活様式も大事で糖分や高カロリー摂取による胃腸機能の低下、エアコン等による寒暖調節機能の低下、過労やストレス生活リズムの乱れが免疫機能の低下を引き起こします。治療は、年間を通しての施灸、三叉神経第一枝の経路、喉の治療、仙骨部への刺鍼が良く効きます。


「不妊症」VOL39
不妊症について・・

Q:そろそろ子供が欲しいのですができません。鍼灸は不安ですが大丈夫でしょうか?(30代女性)

A:まず、鍼灸で奇跡は起こりませんが、器質的な欠陥や先天異常は除き、不妊治療を受けている、流産の経験がある、原因不明(機能性不妊10〜50%)、42歳以下であるなどの条件であれば治療を受けてください。重いような、鈍いような痛みは感じますが、高度生殖医療(ART)よりずっと軽いです。まずはじめに、基礎体温を付けることが絶対に必要です。次に骨盤のゆがみによる骨盤内血流不足で卵管、子宮の機能障害、胃腸虚弱による胎児を育てる機能低下、心療内科的なホルモン分泌のアンバランスによる血管収縮による血流障害などの原因の除去。仙骨部骨膜刺激による骨盤内血流の改善を図り子宮へアプローチ、さらに陰部神経経路への刺鍼にて卵巣への血流改善を図ります。これを週1〜2回、6か月を区切りに行います。また、男性パートナーも一緒に治療を受けることがいいでしょう。


「皮膚疾患」VOL41
局所的な皮膚疾患について・・

Q:いぼが出来て悩んでいます。鍼灸でいぼは取れますか?(30代女性)

A:いぼ、水虫、タコ、魚の目、しもやけ、あかぎれなどに施灸がよく効きます。首回りに良くできる糸状の(水イボ?)なら1〜2回の施灸で治ります。たくさんある場合は一番大きい「いぼ」に集中して行い取れると、小さいものは無くなってくるようです。
治療ですが、いぼや魚の目、タコは腫瘤の大きさに合わせて、直接その上から焦がすように数壮すえます。熱い様の思われますがそうでもありません。熱さが通り、浸み込む感じがするまですえます。これを週2回のペースで続けます。しもやけ、あかぎれは直接患部に1〜2回すえ、クリームで保護しとけば、そのまま治ってしまいますので是非お試しください。


「皮膚疾患2」VOL42
全身性の皮膚疾患について・・

Q:体に湿疹ができて困っています。鍼灸は効きますか?(30代男性)

A:尋常性乾癬、掌蹠膿疱症など難治性疾患には難しいと思いますが、湿疹、じんましん、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹など有効です。これらの内因は肝臓の解毒作用の衰え、腎臓の排泄機能の低下、アレルギー反応、免疫機能や自律神経系の弱体化などです。糖尿病、便秘症、内分泌疾患など皮膚疾患のある人は皮膚の色が黒ずんで見えることから全身の血行不良があるようです。また、ストレスや不安、怒り、疲労などが増悪因子のようです。
鍼灸治療は、バックグランドを考慮して行いますが、短期間の改善は残念ながら見込めません。年単位で継続されている方はいい方向に向かっていますので「あきらめず、あきないで、あなどらない」で行きましょう。


「胃弱」VOL43
胃腸が弱く悩んでいます・・

Q:昔から胃腸が弱く、よくおなかを壊しますので、会社のお付き合いが嫌いです。改善できます?(30代男性)

A:食べ過ぎるといけないのか、飲酒が悪いのか、アレルギーによるものか、ストレスによるなのかがわかりかねますが今、若い人に過敏性大腸症候群が多いようです。これは、自律神経失調により結腸運動、分泌機能異常などが原因で腹痛、不快感、膨満感、下痢、便秘、悪心などの症状、さらに頭痛や動悸など血管運動神経症状を伴います。
臨床では、胃腸の弱い人は、やせ形で顎が細い、猫背で、全身の筋肉が緊張している。呼吸が短く浅い、血管が収縮し脈が速く、冷えが強い。近視の人が多い、神経質である。治療は筋の緊張緩和を目的に軽い鍼を行います。腹部の反応点が大事で慎重に鍼を行い、さらに背部の反応点に施灸を継続するべきです。期間は、週1回の治療を最低半年は続けてください。


「事故の後遺症」VOL44
後遺症について・・

Q:事故の後遺症(足)で悩んでいます。リハビリ中ですが鍼灸治療を受けてもいいですか?(30代女性)

A:まさに鍼灸治療の適応症です。急性期(骨折や靱帯断裂など)は整形外科の受診が必要ですが、急性期を過ぎて慢性期に移行しますと、現代医学は有効な治療がないようです。東洋医学の特徴である患部だけを見ず、全身の違和を調整し自然治癒力を最大限に発揮させることが大事です。
治療は、患部を通る経絡の調整、関係筋肉のこり、緊張を見つけ処置、最大圧痛点に刺鍼、骨膜刺鍼、運動させながらの鍼、テーピング法や刺絡療法、皮膚鍼法など必要に応じて使い分けます。1〜2回で必ず結果が出ますので、是非お勧めです。